【令和6年新設】両立支援等助成金「育休中等業務代替支援コース」を解説します

2024.03.15

2024.06.28

両立支援等助成金は、従業員の仕事や育児・介護との両立支援を図るため、柔軟な勤務体制を整えるなどした企業を対象に、助成金を支給する制度です。

その両立支援等助成金に、令和6年1月、「育休中等業務代替支援コース」が新設されました。文字どおり、育休等の従業員の代替要員について、中小企業主がその確保等に要した費用を助成するものです。

育休等による他の社員への業務のしわ寄せにも対応できます。

この記事では、既存コースの概要をおさらいし、新たに設けられた育休中等業務代替支援コースの支給要件や申請の注意点などを解説します。

両立支援等助成金とは

両立支援助成金

両立支援等助成金は、働きながら子育てや介護をする労働者の雇用を維持すべく、就業環境の整備に取り組む事業主を対象とする助成金です。

まずは、従来のコースについて見ておきましょう。

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

子育てパパ

子育てパパ支援助成金は、男性の育児休業を促進するためのコースです。男性従業員にも育休取得がしやすい環境の整備を行った上で、実際に育児休業を取得させることで助成金が受給できます。

段階により第1種・第2種があり、第2種は第1種の支給を受けた事業主が対象です。

「第1種」男性労働者の育休取得への取り組み

男性の育休取得

第1種は、男性が育休を取得しやすい雇用環境と業務体制の整備にかかる取り組みを2つあるいは3つ以上行い、かつ出生後8週間以内に連続5日間以上の育休取得をした男性従業員がいる場合に対象となります。支給額は20万円です。

助成の種類助成額(1事業主あたり)
第1種:育児休業取得20万円
※支給は1回限り

育休開始の前日までに、育休取得者の業務を代替する従業員の業務見直しについて就業規則などに規定し、業務体制を整える必要もあります。

整備のための取り組みの数は、産後パパ育休の申出期限によって2つあるいは3つ以上が必要となります。連続5日間以上の育休には、所定労働日が4日以上含まれていなければなりません。

取得率などの情報公開での加算

自社の育児休業等の利用状況について、厚労省の公式サイト「両立支援のひろば」で指定の情報を公表した場合、2万円の加算が受けられます。

助成の種類助成額(1事業主あたり)
第1種:情報公表加算2万円
※支給は1回限り

「第2種」男性労働者の育休取得率の上昇

男性の育児休業取得

第2種では、第1種での支給を受けた上、第1種で対象となった育休取得者以外の2名以上が育休を取得することが必要です。第2種のみでは受給できません。

また、男性の育休取得率について、いずれかの要件を満たす必要があります。

  • 第1種の受給から3年度以内に取得率を30ポイント以上アップさせること
  • 第1種の受給年度に対象となる男性が5人未満かつ育休取得率が70%以上であり、次の3年度以内に2年連続で70%以上となること

助成額は、達成した期間により次のように異なります。

助成の種類助成額
第2種:育休取得率の30%以上上昇1年以内に達成:60万円
2年以内に達成:40万円
3年以内に達成:20万円
※支給は1回限り

対象労働者は、雇用保険の被保険者でなくてはなりません。また、対象となるのは「育児休業(産後パパ育休含む)」であり、育児目的休暇などの取得は対象外です。

介護離職防止支援コース

家族の介護をする男性

このコースでは文字どおり、「介護支援プラン」を作成し、次のいずれかに該当する場合に助成が受けられます。

  • 介護休業の取得・復帰を円滑にする取り組みを行い、従業員に介護休業を取得させた
  • 介護と仕事の両立を可能にする柔軟な勤務体系を制度化し、従業員に利用させた

取り組みや制度化のみならず、実際に利用者がいることが支給の要件となっています。

介護支援プランとは、介護に直面した従業員について、個々の状況に合わせた仕事と介護の両立に向けた雇用環境の整備、業務の棚卸しや引き継ぎなどの体制づくりなどについて作成する計画をいいます。

介護離職防止支援コースでは、次の4つのケースで支給が受けられます。中小企業が支給の対象です。

  • 介護休業(休業取得時)
  • 介護休業(職場復帰時)
  • 介護両立支援制度
  • 新型コロナウイルス感染症対応特例

それぞれ見ていきましょう。

介護休業(休業取得時)

介護休業を取る女性

介護支援プランを作成し、従業員に介護休業を取得させた場合に助成が受けられます。対象となるのは、同一の対象家族につき、合計5日以上の介護休業の取得です。日数は所定労働日に対する休業日数で、かつ休業開始から1年以内に取得したものに限ります。

介護支援プランは、要介護の事実を把握後、対象従業員との面談等を行ったうえ、業務の整理や引き継ぎに関する措置を織り込んで作成します。助成額は30万円です。

助成の種類助成額
介護休業(休業取得時)30万円
※支給は1年度あたり5名まで(要介護者1名につき1回限り)

介護休業(職場復帰時)

上記の助成対象となった従業員が職場復帰を果たした場合に支給されます。職場復帰時のみ助成を受けることはできません。

介護休業の終了後、フォロー面談を行い、原職に復帰させることが原則です。助成額は、30万円です。

助成の種類助成額
介護休業(職場復帰時)30万円
※1年度あたり5名まで

ただし、介護休業の終了翌日から3カ月間に就業した日数が、予定の5割を満たない場合は、支給対象外となります。

介護両立支援制度

介護と仕事との両立

介護支援プランを作成し、介護のための短時間勤務制度や介護休暇制度などを利用させた場合に対象となる助成です。

支援プランは、要介護の事実を把握後、対象従業員との面談等を行ったうえで作成し、期間中の業務体制の検討に関する取り組みを定めます。

対象者が、次のいずれかの制度を利用する必要があります。

所定外労働の制限制度 ・時差出勤制度 ・深夜業の制限制度 ・短時間勤務制度 ・介護のための在宅勤務制度 ・介護休暇制度(時間単位も可)・介護のためのフレックスタイム制度 ・介護サービス費用補助制度

同一の対象家族について、合計20日間以上の制度利用が必要といった要件もあります。助成額は30万円です。

助成の種類助成額
介護両立支援制度30万円
※1年度あたり5名まで

同一労働者の同一介護両立支援制度での支給は1回限りで、異なる制度の場合は合計2回まで。制度ごとに介護支援プランの作成が必要です。

新型コロナウイルス感染症対応特例

新型コロナへの対応として家族の介護のための特別な有給休暇を設け、従業員に取得させた場合に対象となる助成です。

新型コロナウイルス感染症により必要となった介護のための20日間以上の有休が取得可能な制度を設けます。そして、その他の仕事と介護の両立に関する制度とともに従業員に周知します。

従業員が、介護のためにその有休を合計5日以上取得することで支給が受けられます。助成額は次のとおりです。

休業日数助成額(1人あたり)
合計5日以上10日未満20万円
合計10日以上35万円
※あわせて1年度5名まで

介護離職防止支援コースの加算制度

介護離職防止支援コースの加算

このコースには、2種類の加算も用意されています。

業務代替支援加算

介護休業中の従業員の業務を、他の従業員が代替した場合、職場復帰時の助成金に加算が受けられます。

代替要員を新規雇用するか既存の社員への手当支給で対処したかによって、加算される額は次のとおり異なります。

代替要員の区別加算額
新規採用20万円
既存従業員への手当支給5万円

新規採用には、派遣社員の受け入れも含まれます。

個別周知・環境整備加算

介護休業の取得者または介護両立支援制度の利用者に対し、制度について個別の説明を行い、仕事と介護の両立がしやすい環境の整備に取り組んだ場合、介護休業取得時または両立支援制度の利用の支給額に15万円が加算されます。

助成の種類助成額
個別周知・環境整備加算15万円
※1年度5名まで

育児休業等支援コース

育児休業等支援コース

育児休業のスムーズな取得・職場復帰のための環境整備などに取り組んだ事業主を対象とするコースです。次の4つのケースで助成が受けられます。

  1. 育休取得時
  2. 職場復帰時
  3. 職場復帰後支援
  4. 新型コロナウイルス感染症対応特例

1~3については、中小企業のみが対象です。また、情報の公表による加算も受けられます。それぞれについて見ていきましょう。

1.育休取得時

育休復帰支援プラン

「育休復帰支援プラン」を作成し、プランに基づいて育児休業を取得させた場合に助成が受けられます。

育休復帰支援プランとは、育休を取得する個々の従業員に合わせて作成する計画のことです。業務の棚卸しや業務の引き継ぎ、休業中の職場情報の提供などを織り込みます。助成額は30万円です。

助成の種類助成額
育休取得時30万円
※1事業主2回まで(有期雇用労働者・無期雇用労働者で各1回)

2.職場復帰時

上記の対象者の育休終了後、職場復帰させた場合に助成が受けられます。助成額は30万円です。

助成の種類助成額
職場復帰時30万円
※1事業主2回まで(有期雇用労働者・無期雇用労働者で各1回)

3.職場復帰後支援

育休復帰後の面談

育休後の職場復帰について、次のいずれの制度を導入し、育児休業から復帰後の従業員がその制度を利用した場合に、助成が受けられます。

  • 法律の基準を上回る「子の看護休暇制度」
  • 保育サービス費用補助制度

「保育サービス費用補助制度」の「保育サービス」とは、ベビーシッターなどのことです。助成額は次のとおりです。

助成の種類助成額
制度導入時30万円
制度利用時【子の看護休暇制度】
休暇取得時間×1,000円
【保育サービス費用補助制度】
事業主負担額の3分の2(注)
注:100円未満は切り捨て

制度導入時の助成は、子の看護あるいは保育サービスのいずれか、1事業主1回限りです。

制度利用時の助成は、1事業主あたり最初の申請日から3年以内で5名まで。1年度あたり、子の看護休暇制度は200時間、保育サービス費用補助制度は20万円が上限です。

4.新型コロナウイルス感染症対応特例

新型コロナウイルス感染症対策特例

新型コロナウイルス感染症の影響で、次のいずれにも該当する場合に助成が受けられます。

  • 臨時休校等による子の世話のための有休制度と両立支援制度を整備
  • 従業員がその有休制度を利用

助成額は10万円です。特別有給休暇制度を1日以上取得した場合に支給されます。

助成の種類助成額
新型コロナウイルス感染症対応特例10万円
※1事業主あたりのべ10名まで(上限100万円)

情報公表加算

次の2つともに当てはまる場合に、助成金の加算が受けられます。

  • 育児休業等支援コースの「育休取得時」「職場復帰時」「職場復帰後支援」(上記1~3)のいずれかを申請
  • 自社の育休等の利用状況に関し、厚労省のサイト「両立支援のひろば」で指定の情報を公表
加算の種類加算額
育休等に関する情報公表加算2万円
※ 加算は1回限り

新型コロナウイルス感染症対応特例以外の、いずれかの助成金に対して加算されます。情報公表のみでの受給はできません。

この他、不妊治療と仕事の両立を支援する制度の導入などを対象とする「不妊治療両立支援コース」もあります(助成額30万円)。

【令和6年1月新設】育休中等業務代替支援コースを詳しく紹介

令和6年1月新設の育休中等業務代替支援コース

人手不足や多忙な状況で問題となるのは、育児休業や育児による短時間勤務の従業員がいることで、他の従業員に業務のしわ寄せがいくこと。負担が増えた従業員には不満が募り、当人は肩身の狭い思いをすることになります。

育休などが取得しにくい社内環境となるのを防ぐべく、「育休中等業務代替支援コース」が設けられました。

育休中の従業員業務を代替する体制を整備し、次のいずれかを行った中小企業に助成金が支給されます。

  • 1.既存の従業員への手当支給等(育児休業)
  • 2.既存の従業員への手当支給等(短時間勤務)
  • 3.代替要員の新規雇用(育児休業)

また、次の2つの加算制度もあり、それぞれ要件を満たせば上記1~3の助成額に加算が受けられます。

  • 4.有期雇用労働者加算
  • 5.育児休業等に関する情報公表加算

従来の子育てパパ支援助成金や育児休業等支援コースにあった業務代替に関する助成は、令和6年1月1日以降の育休開始からこのコースでの適用となります。

それぞれについて見ていきましょう。

1.手当支給等(育児休業)

育休中の従業員の業務を、手当などを支給した上で他の従業員に代替させた場合に支給される助成金です。

支給金額は、事業主が負担した費用や手当額に応じて決まります。主な要件は次のとおりです。

  • 育休取得者と代替者の業務の見直し・効率化を行う
  • 代替業務に対する手当等の制度を就業規則に規定する
  • 7日(うち所定労働日が3日)以上の育児休業を取得させる
  • 業務代替期間について、手当等により賃金を増額させる
  • 手当等の額は、労働時間でなく代替職務の内容を評価するものとする
  • 育休期間が1カ月を超える場合、終了後に原職等に復帰させ、3カ月以上継続雇用する

1カ月以上の育休については、原職等への復帰についても職場復帰時までに就業規則に規定する必要があります。

助成額は次表の【1】と【2】の合計額。要件を満たせば加算もあります。加算については後の章で解説します。

助成の種類助成額(育休取得者1名あたり)
【1】業務体制整備経費5万円
※育休が1カ月未満の場合は2万円
【2】業務代替手当支給した手当の4分の3
※プラチナくるみん認定者は5分の4
※月10万円、代替期間12カ月まで

業務代替手当については、手当を支給した人数にかかわらず、総額に対する助成割合で計算されます。また、総額で1万円以上(1カ月未満の場合は、1日あたり500円と比較して低い方)の支給が対象です。

2.手当支給等(短時間勤務)

育児のため短時間勤務を行う従業員の業務を、手当などを支給した上で他の従業員に代替させた場合に支給される助成金です。

対象となる短時間勤務制度は、1日の所定労働時間が7時間以上の従業員が、勤務時間を1日1時間以上短縮するものに限ります。

支給金額は、事業主が負担した手当額に応じて決まります。支給の主な要件は次のとおりです。

  • 制度利用者や代替者の業務の見直し・効率化を行う
  • 代替業務手当等の制度を就業規則に規定する
  • 育児のための短時間勤務制度を1カ月以上利用させる
  • 業務代替期間について、手当等により賃金を増額させる
  • 手当等の額は、労働時間でなく代替職務の内容を評価するものとする

助成額は次表の【1】と【2】の合計額。要件を満たせば加算もあります。加算についてはこの章の最後で解説します。

助成の種類助成額(制度利用者1名あたり)
【1】業務体制整備経費2万円
【2】業務代替手当支給した手当の4分の3
※1カ月ごとに3万円まで。子が3歳になる月まで

業務代替手当については、手当を支給した人数にかかわらず、総額に対する助成割合で計算されます。また、総額で3千円以上(※代替期間が1カ月未満の場合は、1日あたり150円と比較して低い方)の支給が対象です。

3.新規雇用(育児休業)

業務の代替要員を外部から新たに雇い入れた場合に、代替期間の長さに応じた額の助成金が支給されます。派遣社員の受け入れも対象です。

主な要件は次のとおりです。

  • 育休取得者の業務を代替する人材を新たに雇入する
  • 7日(うち所定労働日が3日)以上の育休を取得させる
  • 新規に雇い入れた者に育休中の業務を代替させる
  • 育休期間が1カ月を超える場合、終了後に原職等に復帰させ、3カ月以上継続雇用する

代替要員は、育休取得者と同じ事業所・同じ部署で業務を代替する必要があります。また、所定労働時間が育休取得者の2分の1以上であることも必須です。

1カ月を超える場合の原職等への復帰については、就業規則に規定する必要もあります。

助成額は次表のとおり、育休中の業務の代替期間の長さに応じて異なります。

業務を代替した期間助成額(制度利用者1名あたり)
7日以上14日未満9万円
(11万円)
14日以上1カ月未満13.5万円
(16.5万円)
1カ月以上3カ月未満27万円
(33万円)
3カ月以上6カ月未満45万円
(55万円)
6カ月以上67.5万円
(82.5万円)
※下段カッコ内の金額は、プラチナくるみん認定事業主への割増支給額

7日以上の育休には所定労働日が3日以上、14日以上の育休には所定労働日が6日以上なくてはなりません。

支給は、同一従業員の同一の子の育児休業について1回のみ、「手当支給等(育児休業)」との併給はできず、どちらかのみとなります。


上記3種の助成について、1年度については全体(1~3の合計)で1事業主あたり対象従業員10名が支給の限度です。

初回から5年間の申請が可能なので、同一事業主の最大受給人数は50名、6年目以降は申請できません。

4.有期雇用労働者加算

手当支給(育児休業・短時間勤務)、新規雇用とも、支給対象となる育休取得者が有期雇用労働者の場合、1人あたり10万円が加算されます。

ただし、業務代替期間が1カ月以上の場合のみです。

加算の種類加算額
有期雇用労働者加算10万円(1人あたり)

育休開始前の6カ月間、期間の定めのない労働者として雇用されていない従業員に限ります。

5.育児休業等に関する情報公表加算

手当支給(育児休業・短時間勤務)、新規雇用とも、自社の育休等の利用状況に関し、厚労省のサイト「両立支援のひろば」で指定の情報を公表すれば、2万円の加算が受けられます。

加算の種類加算額
育休等に関する情報公表加算2万円
※支給は1回限り

この育休中等業務代替支援コースは、先に紹介した出生時両立支援コース(第1種)や育児休業等支援コース(新型コロナウイルス感染症対応特例を除く)との併用も可能です。

育休中等業務代替支援コースを申請する際の注意点

育休中等業務代替支援コースを申請する際の注意点

育休中等業務代替支援コースの対象となるのは、令和6年1月1日以降に開始された育休あるいは短時間勤務です。

このほか、次のような注意点もあるので気を付けましょう。

手当支給の規則化が必須

業務の代替手当は、支給するだけではなく、賃金制度として制定し、就業規則や労働協約に明記しなくてはなりません。

また、業務の代替期間の開始日までに規定しておくことも必要です。制度名は、業務代替手当や特別業務手当、応援手当など、手当の性質がわかるものにしましょう。

短時間勤務制度の適用者に注意

就業規則や労働協約、労使協定により、裁量労働制、事業場外みなし労働時間制、変形労働時間制が適用されている従業員の場合は注意が必要です。

これらの労働時間制の対象としたままでは、支給の対象外です。

新規雇用契約の始期に注意

育休取得者の代替要員として「新規雇用」の助成金の対象となるには、育休の代替要員が必要になってから新たに雇い入れた人材でなくてはなりません。

雇用契約の始期は、事業主が育児休業取得者(男性の場合はその配偶者)の妊娠の事実を知った日以降の日付である必要があります。

ケースにより異なる支給申請期限

助成金の支給申請期間にも、注意が必要です。期限を1日でも過ぎれば受付不可となるだけでなく、このコースは申請期間がケースによって異なり、複雑です。

育児休業についての助成(手当支給・新規雇用とも)の場合、育児休業の期間によって、申請できる期間が異なります。

手当支給等(短時間勤務)の助成についても、短時間勤務制度の利用期間によって申請期間が異なります。さらに、制度の利用期間が1年以上になるケースもあることから、1年を超える場合には1年ごとに支給申請をする決まりとなっています。

また、制度利用期間が1年を超えたかどうか、その子が3歳に達したかどうかでも支給申請は異なります。

両立支援等助成金を活用するメリット

両立支援等助成金を活用するメリット

両立支援等助成金は、どの企業にも活用メリットのある助成金です。具体的なメリット3つをおさらいしておきましょう。

企業負担を抑えつつ育児休業の取得を促進

育児休業の取得促進は、国を挙げて行うべきミッションとも言えます。しかし、制度の導入などには手間も費用もかかります。

この助成金を活用すれば、経済的な負担を軽減しつつ育児休業の取得促進を図れます。

育児休業にともなう離職の防止

育児休業においては、取得しづらい職場環境のためやむなく離職する人もいます。また、同僚の育休取得により業務負担が増え、不満から離職するケースも。

助成金の活用で育休等にかかる仕事と家庭との両立が可能になり、当人以外の従業員にも納得してもらえれば、離職者を減らすことができます。会社への印象も良くなるでしょう。

求職者へのアピール

要件を満たすには適切・適正な社内制度の規定が必要となるため、結果として育休や介護に関する環境の整備ができます。

人手不足の解消には、新たな人材の確保が必須です。育休に関する制度が充実していれば、求職者にも大きなアピールポイントとなります。

助成金の申請ならBricks&UKにおまかせ

新設された「育休中等業務代替支援コース」は、育休や短時間勤務制度を利用したい従業員への支援だけでなく、それによる他の従業員の業務のしわ寄せ防止にも対応できる助成金です。

ただし、受給には就業規則への適正な規定などが必要となるほか、個々のケースによって支給申請期間が異なるなど、簡単でない部分もあります。

両立支援等助成金の申請をお考えなら、助成金に詳しい社会保険労務士へのご相談をおすすめします。当サイトを運営する社会保険労務士事務所Bricks&UKでは、これまで数々の助成金の申請代行を行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

監修者からのコメント 1か月以上の育児休業を取得した際の業務代替支援の申請について、令和6年1月1日以降に育児休業が開始した場合(産後休業の終業後引き続き育児休業をする場合は、産後休業が開始した場合)は、申請期間が育児休業期間の最終日の翌日から起算して3か月を経過する日の翌日から2か月以内(従来は育児休業終了日の翌日から起算して6か月を経過する日の翌日から2か月以内)となるため、注意が必要です。 弊社では、育児介護休業規程の改定サポートもお受けしています。 ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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