【トライアル雇用助成金とは?】助成金の仕組みとメリット・デメリットについて解説

2021.06.02

トライアル雇用助成金をイメージさせる初心者マーク

「人手不足なのに、中途採用者がなかなか定着しない」
「未経験者だと能力や適性がわからず、採用しづらい」
このような悩みを持つ企業は少なくありません。

未経験者や子育てなどで長期のブランクがある人を採用する事業主に対して、国は「トライアル雇用」というお試しの雇用制度を設けており、条件を満たせば「トライアル雇用助成金」が受けられます。

トライアル雇用助成金を活用する企業からは、「労使の双方にとって仕事内容や職場に対するミスマッチが防げて有意義だ」という声も上がっています。

これは、採用者がどうしても自社にマッチしない場合はお試し期間だけで雇用契約を解除できるため、事業者側の採用リスクを抑えられるメリットがあるためです。

この記事では、トライアル雇用助成金の概要と「一般トライアルコース」について解説します。

トライアル雇用助成金とは?

トライアル雇用助成金とは何かの疑問イメージ

はじめに、トライアル雇用助成金の制度の概要について説明します。

トライアル雇用とは?

そもそも「トライアル雇用」とは、安定的な就職が困難な求職者や障害者新型コロナウイルス感染症の影響で長期間離職している人などを、一定期間の有期雇用契約でお試し雇用できる制度です。

トライアル雇用では、企業側は原則3カ月の間に求職者の適性や能力を見極めた上で、常用雇用に移行できます。求職者にとっても、自分に合った職場かどうかの相性を見ることができるため、採用後のミスマッチや早期離職といった採用リスクを避けられます。

この制度を利用して従業員を雇用した事業主に対して助成金を支給し、求職者の早期就職や就職困難者の雇用機会を生み出そうとしているのが「トライアル雇用助成金」です。

トライアル雇用助成金を受給するためには、事前に「トライアル雇用求人」をハローワークや地方運輸局・職業紹介事業者などに提出し、これらの紹介を受けたトライアル雇用対象者を一定期間の有期雇用で雇い入れ、各コースで所定の要件を満たす必要があります。

トライアル雇用助成金の各コースの紹介

トライアル雇用助成金の各コース

トライアル雇用助成金は、求職者の特性ごとに複数のコースが設定されています。

トライアル雇用期間中の所定労働時間は原則として週30時間以上とされていますが、それより短い労働時間を設定した短時間コースもあります。

では、各コースの特徴を見ていきましょう。一般トライアルコースについては後ほどさらに詳しく解説します。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

このコースは、就業経験の不足や、妊娠・出産による離職、母子家庭・父子家庭などの事情を抱え、安定的な就職が困難な求職者をトライアル雇用する際に利用できる助成金です。

ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、トライアル雇用対象者を原則3カ月の有期雇用で雇い入れし、一定の要件を満たした場合に助成金を受けることができます。

一般トライアルコース
支給期間 最長3カ月間
助成金額 対象者1人あたり 月額最大4万円
対象者がひとり親家庭の親の場合
支給期間 最長3カ月間
助成金額 対象者1人あたり 月額最大5万円

母子家庭の母や父子家庭の父など、ひとり親家庭の場合は助成額が手厚くなっています。

障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース

就職困難な人を表す車椅子マーク

就職が困難な障害者、精神障害者および発達障害者をトライアル雇用する際に利用できます。求人募集の際にはハローワーク等に「障害者トライアル雇用求人」を出す必要があります。

トライアル雇用期間と助成金の額は、精神障害および発達障害を持つ人とそれ以外の障害を持つ人とで異なります。

障害者トライアルコース
支給期間 最長3カ月
トライアル雇用期間 原則3カ月
ただし、テレワークによる勤務を行う者は、最大6カ月まで延長可能
助成金額 対象者1人あたり 月額最大4万円
対象者が精神障害者の場合
支給期間 最長6カ月
トライアル雇用期間 原則6~12カ月
助成金額 入社から3カ月間 対象者1人あたり月額最大8万円
4カ月以降は月額最大4万円

精神障害者または発達障害者で、週20時間以上の就業時間で働くことが困難な人を雇う場合、「障害者短時間トライアルコース」を利用できます。

これは週10時間以上の試行的な雇用から開始し、職場への適応度合いや本人の体調をみながら、トライアル雇用期間中に20時間以上の就労を目指す制度です。通常コースと同じく「障害者短時間トライアル雇用求人」としての求人募集が必要です。

障害者短時間トライアルコース
支給期間 3カ月から最長12カ月間
助成金額 対象者1人あたり 月額最大4万円

新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース・新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース

未経験でパソコンでの作業をする女性

新型コロナウイルス感染症の影響で離職を余儀なくされた人が早期に再就職できるよう作られた制度です。

離職期間が3カ月を超え、さらに就労経験のない職に就くことを希望する求職者をトライアル雇用する際に利用できます。たとえば販売員だった人が新型コロナウイルス感染症の影響で解雇されたのち、未経験の事務職を希望する場合などが当てはまります。

さらに、令和3年3月16日からは、勤務先のシフトの減少で実質的に離職と同様の状態にある人についてもトライアル雇用を行えるようになりました。

トライアル雇用期間中、週の所定労働時間が30時間以上であれば「新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース」の対象です。20時間以上30時間未満であれば「新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース」の対象となります。

新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース
支給期間 最長3カ月間
助成金額 対象者1人あたり 月額最大4万円
新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース
支給期間 最長3カ月間
助成金額 対象者1人あたり 月額最大2.5万円

若年・女性建設労働者トライアルコース

助成金対象となる建設作業場

その名のとおり、建設事業主を対象とした助成金です。転職を繰り返している35歳未満の人や、離職期間が1年を超えるような人、あるいは女性を建設作業員として一定期間試行的に雇い入れた場合に助成を受けられます。

ただしこの助成金の申請には、まずトライアル雇用助成金の支給を受けることが必須条件となっています(一般トライアルコース、障害者トライアルコース、新型コロナウイルス感染症対応トライアルコースまたは新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース)。

つまり、中小企業の建設事業主がトライアル雇用で35歳未満の人や女性の建設作業員を雇い入れた場合、トライアル雇用助成金の他のコースに加えて、追加で「若年・女性建設労働者トライアルコース」の助成金が支給されるのです。

若年・女性建設労働者トライアルコース
支給期間 最長3カ月間
助成金額 対象者1人あたり 月額最大4万円

新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコースの場合は、対象者1人あたり月額で最大2.5万円の助成となります。

一般トライアルコースの要件および手続きの流れを解説

トライアル雇用の採用面接

ここではトライアル雇用助成金のうち、一般トライアルコースの要件および手続きの流れを具体的に解説していきます。

トライアル雇用助成金を受けるには、事業主はハローワーク・紹介事業者等に「トライアル雇用求人」を出し、その紹介によってトライアル雇用の対象者を雇い入れる必要があります。雇用契約は原則3カ月の有期雇用でなくてはなりません。

このとき、トライアル雇用の所定労働時間は、通常の労働者と同程度である(週30時間を下回らない)ことが基本です。

ただし、日雇労働者やホームレス、住居喪失不安定就労者(いわゆるネットカフェ等で寝泊まりする人)を雇う場合は「週20時間を下回らないこと」とされています。

支給要件

住居不安定就労者が寝泊まりする漫画カフェイメージ

トライアル雇用の支給対象となるのは、次の1~5のいずれかにあてはまる人です。

  • 1)紹介日前日から過去2年以内に、離職や転職を2回以上繰り返している人
  • 2)紹介日前日時点で、定職のない期間が1年超の人
  • 3)妊娠、出産・育児を理由に離職した後、紹介日前日時点で安定した職に就いていない期間が1年超の人
  • 4)紹介日時点で55歳未満の、ニートやフリーター等
  • 5)紹介日時点で、就職の援助に特別な配慮が必要な人

5番目の「特別な配慮が必要な人」とは、生活保護の受給者や母子家庭の母などひとり親、日雇いや季節で働く労働者、中国残留邦人等の永住帰国者、ホームレスや住居喪失不安定就労者、生活困窮者を指します。

また、ハローワーク・紹介事業者等から紹介された時点で、次の項目に当てはまる人はトライアル雇用の対象にはなりません。

  • 安定した職に就いている
  • 自営業または企業の役員で、週の実働時間が30時間以上
  • 学校に在籍中で卒業していない人(卒業年度の1月1日以降も就職の内定がない人は対象)
  • 他の事業所でトライアル雇用期間中の人

あくまで「定職に就きたくても就くことが難しい人」に対して雇用の機会を与えることが条件です。

また、事業主の側にも満たすべき要件があります。

たとえば一定の期間内に従業員を解雇している場合などは対象となりません。また、過去にトライアル雇用を行った後、継続して雇用した人の数が少ないといった場合も受給申請はできません。こういった28項目の要件があるほか、さらに雇用関係の助成金に共通するその他の要件もあるなど、事業主の支給要件は非常に多く複雑です。

実際にトライアル雇用助成金を検討する場合は、自社が支給要件をクリアしているか、ハローワークや社会保険労務士などに確認すると安心です。

支給対象期間と支給額

支給期間を表す手のイメージ

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)では、対象者をトライアル雇用として雇い入れた日から、1カ月単位で最長3カ月間を支給対象期間として助成金が支給されます。

助成額は下表のとおりです。

一般トライアルコース
支給期間 最長3カ月間
助成金額 対象者1人あたり 月額最大4万円
対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合
支給期間 最長3カ月間
助成金額 対象者1人あたり 月額最大5万円

つまり一般トライアルコースでは通常、最大で12万円(3カ月×4万円)、対象者が母子家庭の母などの場合は最大15万円の受給が可能です。

支給対象期間中に当該労働者が仕事を休むなどした場合には、予定していた就労日数のうち実際に働いたのが何日かによって受給の月額は1万円~4万円まで、1万円単位で異なる金額となります。

トライアル雇用助成金は、月ごとではなく支給対象期間の合計額がまとめて支給されるため、毎月申請手続きをする必要はありません。

ただし、複数のトライアル雇用対象者を採用した場合、申請手続きは対象者別に行う必要があります。

申請手続きの流れ

手続きの流れの解説をする男性の手元

トライアル雇用助成金の手続きは、「募集~採用時」と「トライアル雇用期間終了後」の2つの時期に分けて行います。

求人募集から採用の際の手続き

  • 1)ハローワーク等に「トライアル雇用求人」を出す
  • 2)対象者をトライアル雇用(原則3カ月の有期雇用)で雇い入れる
  • 3)トライアル雇用開始日から2週間以内に、ハローワークへ「トライアル雇用実施計画書」および労働条件が確認できる書類(雇用契約書等)を提出する

前述のようにハローワーク等で「トライアル雇用求人」として紹介してもらうことが受給の前提条件です。

しかし、「あまり条件を限定せず、色んな人に応募して欲しい」という会社も多いでしょう。

そんなときは、トライアル雇用求人と一般求人の両方でハローワークに求人を出せる「トライアル雇用併用求人」という募集方法にすれば応募者の範囲を広げられます。ただし、一般求人での採用は助成金の対象とはなりません。

トライアル雇用期間が終わった後の手続き

トライアル雇用終了後、ハローワークまたは労働局にトライアル雇用の結果報告書兼支給申請書を提出して、助成金の申請手続きが完了します。具体的な必要書類については次の節で説明します。

トライアル雇用助成金の申請期限は、トライアル雇用終了日の翌日から起算して2カ月以内です。

トライアル雇用期間中の注意点

トライアル雇用期間中の注意点イメージ

トライアル雇用期間中、対象の労働者の雇用状況に変化があった場合は、助成金の支給申請期間も変わるため、すみやかに紹介を受けたハローワークに連絡する必要があります。

連絡が必要なのは、たとえばトライアル期間を途中で切り上げて常用雇用とした場合や、トライアル雇用対象者が自己都合で退職した場合などです。

申請に必要な書類

トライアル雇用助成金の申請に必要な書類を書く人

次にトライアル雇用の申請手続きに必要な書類を解説します。

トライアル雇用開始時

まずトライアル雇用を開始した日から2週間以内に提出が必要な書類を表で見てみましょう。

トライアル雇用実施計画書様式
共通様式第1号 トライアル雇用実施計画書
実施様式第1号 トライアル雇用対象者確認票
実施様式第2号 トライアル雇用助成金支給対象事業主要件票
添付書類
トライアル雇用期間に係る雇入通知書または雇用契約書など労働条件が確認できる書類
対象者のみ
対象労働者が母子家庭の母等又は父子家庭の父であることの確認書類
職業紹介事業者等の紹介でトライアル雇用を開始する場合のみ
トライアル雇用職業紹介証明書※
トライアル雇用に係る求人票※
対象労働者確認票及び対象者であることの確認書類※

表内の※印の書類は、ハローワーク・地方運輸局以外の職業紹介事業者等の紹介によりトライアル雇用を開始する場合のみ必要です。必要書類は紹介を受ける職業紹介事業者等から交付されます。

「トライアル雇用実施計画書」には、トライアル雇用期間の終了後、期間を定めない雇用契約に移行するための条件を記入する欄があります。この条件については、事業主が一方的に設定するのではなく、トライアル雇用対象者と十分に話し合った上で決定する必要があります。

トライアル雇用期間終了後

トライアル雇用助成金の手続きイメージ

また、トライアル雇用終了日の翌日から数えて2カ月以内に、次の書類をそろえて支給申請をします。

結果報告書兼支給申請書様式
共通要領様式第1号 支給要件確認申立書
共通様式第2号 トライアル雇用結果報告書兼トライアル雇用助成金支給申請書
〔別添様式〕 トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)勤務実態等申立書
添付書類
1. トライアル雇用実施計画書(安定所、地方運輸局又は労働局の受理印のあるもの)の写し
2. トライアル雇用労働者の出勤簿等、トライアル雇用期間中の出勤状況が確認できる書類またはその写し
3. 当該労働者に対しトライアル雇用期間中に支払うべき賃金の支払い事実が確認できる賃金台帳またはその写し
4. 当該労働者のトライアル雇用期間の雇用契約書もしくは雇入通知書等、期間中の労働契約を確認できる書類またはその写し
5. トライアル雇用期間後に常用雇用へ移行した場合、常用雇用としての雇用契約書もしくは雇入通知書等、移行後の労働契約を確認できる書類またはその写し
6. その他支給要件を確認するにあたって管轄労働局長が必要と認める書類

提出先および期限

トライアル雇用助成金申請期限のカレンダー

トライアル雇用の決定時にまず提出する「トライアル雇用実施計画書」などの書類の提出先は、トライアル雇用労働者の紹介を受けた窓口によって異なります。

紹介窓口 提出先
公共職業安定所(ハローワーク) 紹介時と同じ公共職業安定所(ハローワーク)
地方運輸局 紹介時と同じ地方運輸局
職業紹介事業者等 業者の指示する管轄労働局または公共職業安定所(ハローワーク)

計画書などの提出期限は、いずれもトライアル雇用の開始日から2週間以内です。

トライアル雇用の終了後に提出する「トライアル雇用結果報告書兼トライアル雇用助成金支給申請書」などの書類は、事業所を管轄する労働局へ提出します。

ハローワークの窓口に提出できる場合もありますので、管轄の労働局へ確認してください。

助成金申請の期限は、トライアル雇用の終了日の翌日から2カ月以内です。この期限を過ぎると助成金を受給できなくなりますので注意しましょう。

トライアル雇用助成金のメリット・デメリット

トライアル雇用助成金を活用するうえで、事業主と求職者それぞれのメリット・デメリットにはどのようなものがあるか、解説します。

事業主側のメリット

トライアル雇用助成金の恩恵を受ける事業主

事業主がトライアル雇用を行う最も大きなメリットは、会社と労働者のミスマッチを減らせる点です。さらに助成金制度の活用で、経済的な支援も得られます。

トライアル雇用は本採用を前提とする「試用期間」とは異なり原則3カ月の有期雇用契約のため、トライアル期間満了後に「契約解除」という選択をすることも可能です。

トライアル雇用を活用することで、未経験者などの適性や能力を見極めた上で、ミスマッチの少ない人材を採用できるというメリットがあるのです。

さらに、トライアル雇用助成金を利用して雇い入れた人をトライアル期間終了後も引き続き雇用すると、特定求職者雇用開発助成金やキャリアアップ助成金を申請できる場合があります。

事業主側のデメリット

対して、事業主が直面するデメリットは、なんといっても助成金の申請業務が発生する点です。

トライアル雇用助成金では、トライアル雇用を開始したタイミングと、トライアル雇用が終了したタイミングの合計2回、書類を作成・提出する必要があります。

さらに雇用契約書や賃金台帳といった添付書類も、抜かりなく整えて申請を行わなくてはなりません。この助成金の申請締め切りが、総務担当者など手続きに携わる人の本来の業務を圧迫してしまう場合もあるのです。

このデメリットを解消するため、助成金の申請業務に社会保険労務士を活用している企業も少なくありません。

また、トライアル雇用は主に未経験者や社会人経験の少ない人が対象です。そのため、トライアル期間中に教育・研修コストが発生することもデメリットと言えるかもしれません。

求職者側のメリット

トライアル雇用助成金の恩恵を受ける従業員たち

トライアル雇用助成金は事業主への支援のため、求職者に金銭的なメリットはありません。しかしトライアル雇用求人の制度自体には、これまで定職に就けなかった人や未経験の職にチャレンジしたい人へのハードルを下げてくれるメリットがあります。

トライアル雇用は原則3カ月の有期雇用契約です。そのため、一般的な求人より応募の際のプレッシャーが比較的低いと言えます。有期契約の間に職場の雰囲気や詳しい業務内容を把握して、会社を見定めることもできるでしょう。

また、助成金の受給には事業主が対象者への職場訓練を行う義務もあるため、仕事を教えてもらえる環境が整っていることも求職者にとってはメリットとなります。

厚生労働省によれば、トライアル雇用を行った約8割の人が常用雇用に移行しています。継続して働く場所が確保できるチャンスが大きいことも、トライアル雇用制度のメリットです。

求職者側のデメリット

対して求職者側のデメリットとして最も大きいのは、トライアル雇用の後に本採用されるとは限らないことです。

常用雇用として採用されない場合、「3カ月で雇い止め」という職歴が残ります。これは、その後の就職活動で不利になる可能性があります。

トライアル雇用助成金の注意点

トライアル雇用助成金を活用する上で注意したい点を、よくあるケース別に解説します。

対象者がトライアル雇用期間の途中で退職したケース

トライアル雇用中の退職イメージ

トライアル雇用が途中終了した場合、まずは速やかにハローワークの窓口や社会保険労務士に相談し、助成金の申請期間や必要書類を確認してください。

トライアル雇用期間が1カ月となる前に対象者が離職した場合、就労した日数に基づいて受給額が変わり、支給申請期間も変わります。

基本的には、「トライアル雇用結果報告書兼トライアル雇用助成金支給申請書」などの書類を、離職日の翌日から2カ月以内に労働局へ提出することになります。

トライアル雇用期間中に新型コロナウイルスの影響による休業があるケース

休業を示すシャッター

新型コロナウイルスの影響でトライアル雇用期間中に会社が休業した場合は、特例的にトライアル雇用期間の延長が可能です。

この場合、もともとトライアル雇用が終了する予定だった日の翌日以降に、休業分の日数をトライアル期間として追加することとなります。

トライアル雇用期間を変更するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • トライアル雇用期間が令和2年4月1日~令和3年6月30日の間に含まれている
  • 上記期間中に新型コロナウイルスの影響で対象者を休業させた
  • 休業により、対象者の適性の見極めが難しくなった
  • トライアル雇用期間の変更について労働者と合意した

新型コロナウイルスの影響でトライアル雇用期間変更の特例を利用した場合、次の2つの書類を管轄の労働局またはハローワークに提出してください。

計画変更時に提出
共通様式特第1号 トライアル雇用実施計画変更届(新型コロナ特例)
助成金申請時に提出
共通様式特第2号(別添様式) トライアル雇用期間勤務予定表(新型コロナ特例)

過去6カ月間に事業主都合による離職者がいるケース

会社都合での退職者

基準期間(トライアル雇用を開始した日の前日から起算して6カ月前の日から、トライアル雇用期間を終了する日までの期間)に、雇用保険被保険者に該当する労働者を事業主都合で解雇・勧奨退職させたことがある事業主は、支給対象事業主の要件から外れ、トライアル雇用助成金を申請できません。

また、事業の縮小や賃金の大幅低下などによる正当な理由での自己都合離職が4人以上あった場合も、支給対象事業主の要件から外れてしまうため、トライアル雇用助成金を申請できません。

もし、助成金の申請を検討している事業所で過去6カ月間に離職者がいる場合は、支給対象事業主の要件に該当するかどうかをハローワークまたは社会保険労務士に確認してみましょう。

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トライアル雇用助成金は、比較的多くの企業で活用されている助成金です。

トライアル雇用助成金を利用すれば、業務未経験の人を試験的に雇うことができ、ミスマッチによる離職や解雇が減らせる上に経済的な支援も受けられます。就職困難な人を受け入れることは、社会的にも大きく貢献できます。

ただし助成金の申請には求人の段階から計画を立てることが必要で、手続きがやや複雑というデメリットも。そんな助成金の申請代行を国から唯一認められているのが、社会保険労務士です。社会保険労務士は、採用計画のサポート役としてもお役に立てます。

当社Bricks&UKには助成金の申請経験が豊富な社会保険労務士が複数在籍しています。「助成金を活用して、より良い人材を採用したい」とお考えの事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

社労士からのコメント 新型コロナウイルス感染症の影響により勤務先の退職を余儀なくされ、未経験の職種への転職を希望される方が増えています。 求人を検討している事業所は、ぜひトライアル雇用制度を活用してみてはいかがでしょうか。 ハローワーク求人の提出支援も行っております。 是非お気軽にお問い合わせください。

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四宮寛子

この記事の監修この記事の監修 社会保険労務士事務所Bricks&UK 特定社会保険労務士 四宮寛子

特定社会保険労務士。2004年南山大学外国語学部英米学科卒業、2007年社会保険労務士登録、同年開業。
これまでに申請・受給した助成金は1200件超。助成金の申請を通じて就業規則の作成をはじめとした労働環境の整備にも積極的にアドバイスを行っている。

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