特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者や障害者、就職氷河期世代の就労困難者、生活保護受給者や生活困窮者など、さまざまな理由によってハンディキャップを抱えている人の雇用を促進するための助成金です。
他の助成金に比べて支給額が大きく、積極的に活用していきたい助成金の1つでもあります。この記事では、その特定求職者雇用開発助成金について詳しく解説します。
目次
- 1 特定求職者雇用開発助成金とは
- 2 特定求職者雇用開発助成金7つのコースを紹介
- 2.1 1.高年齢者・障害者・母子家庭の母などの就職困難者を雇い入れる(特定就職困難者コース)
- 2.2 65歳以上の高年齢者を雇い入れる(生涯現役コース)
- 2.3 3.東日本大震災における被災離職者等を雇い入れる(被災者雇用開発コース)
- 2.4 4.発達障害者または難治性疾患患者を雇い入れる(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
- 2.5 5.障害者を初めて雇い入れる(障害者初回雇用コース)
- 2.6 6.正規雇用の機会を逃したこと等により、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な者を雇い入れる(就職氷河期世代安定雇用実現コース)
- 2.7 7.自治体からハローワークに就労支援の要請があった生活保護受給者等を雇い入れる(生活保護受給者等雇用開発コース)
- 3 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の詳細
- 4 特定求職者雇用開発助成金の注意点
- 5 特定求職者雇用開発助成金の申請ならBricks&UKにおまかせ
特定求職者雇用開発助成金とは
はじめに、特定求職者雇用開発助成金の目的と、最近の変更点などを確認していきましょう。
この助成金の目的
特定求職者雇用開発助成金とは、簡単にいえば社会的に弱い立場にある人、何らかのハンディキャップを抱えている人などの雇用を促すための助成金です。
働きたいと思っている人の中には、高年齢者や障害者などもいます。しかし、企業活動とは利益追求にほかならず、そのためには高年齢者よりも若年者、障害者よりも健常者を優先的に雇用せざるを得ません。
豊かな社会を築くためには、企業がハンディキャップを抱えた人を受け入れることが不可欠ですが、その取り組みを企業の自主性だけに任せることは現実的に不可能です。そこで、ハンディキャップを抱える求職者の受け入れを促進するために、「特定求職者雇用開発助成金」が実施されています。
支給要件の変更
助成金を受けるには数々の要件があります。そしてその支給要件等については、必要に応じてたびたび変更がなされます。特定求職者雇用開発助成金に限らず、すべての助成金制度を活用する際には、支給要件の変更に注意しておくことが必要です。
特定求職者雇用開発助成金では、平成30年10月1日に大きな変更が実施されています。後述する7つのコースのうち「障害者初回雇用コース」を除く6つのコースを対象として、支給要件が次のように変更されました。
助成対象期間中に対象労働者を解雇・雇い止め等した場合
変更前 | 変更後 |
すでに支給された助成金を全額返還する |
解雇・雇い止め等の実施日から3年間、特定求職者雇用開発助成金を支給しない (すでに支給された助成金の返還は不要) |
「助成対象期間」とは、助成金の分割支給を受けられる期間のことをいいます。
支給対象期の途中で対象労働者が離職した場合
変更前 | 変更後 |
離職した月までを助成対象期間とみなし、個別に算定して支給 | 原則支給しない (「支給対象期間中に離職していないこと」が支給要件) |
「支給対象期」とは、助成金の分割支給の基準となる期間のことです。現在の仕組みでは1期が6カ月とされています。
特定求職者雇用開発助成金7つのコースを紹介
特定求職者雇用開発助成金には7つのコースがあり、それぞれのコースで異なる特定求職者を対象としています。もっとも、他の雇用系助成金と同じく、基本的な支給要件は「対象労働者を雇用すること」で共通しています。
ただし、キャリアアップ助成金などの雇用系助成金と比べて、企業の負担が大きいことには注意すべきです。そもそも、雇用が負担にならない求職者であれば、政府が支援・促進する必要もないはずです。
負担に見合う支援が求められるため、特定求職者雇用開発助成金は他の助成金に比べて支給額が大きく設定されています。事業主にとっては、この点が最大の魅力といえるでしょう。
では、コースごとの違いを見ていきます。なお、この記事で紹介する助成内容はすべて中小企業を対象とするものです。
1.高年齢者・障害者・母子家庭の母などの就職困難者を雇い入れる(特定就職困難者コース)
特定就職困難者コースは、特定求職者雇用開発助成金の7つのコースのうち対象労働者の種類が最も多く、利用を検討しやすいコースです。ハローワーク等の紹介で高年齢の人や母子家庭の母親・障害者などを雇い入れた場合に利用できます。助成内容は次のとおりです。
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 | |
短時間労働者以外 | 高年齢者(60歳以上) 母子家庭の母等 |
60万円 | 1年間 | 30万円×2期 |
重度障害者等を除く身体・知的障害者 | 120万円 | 2年間 | 30万円×4期 | |
重度障害者等(重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者) | 240万円 | 3年間 | 40万円×6期 | |
短時間労働者 | 高年齢者(60歳以上) 母子家庭の母等 |
40万円 | 1年間 | 20万円×2期 |
重度障害者等を含む身体障害者・知的障害者・精神障害者 | 80万円 | 2年間 | 20万円×4期 |
支給対象期ごとの支給額は、支給対象期に対象労働者に支払った賃金額が上限です。これは以下、「障害者初回雇用コース」を除く6コースに共通する決まりです。
「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者をいいます。こちらも全コース共通です。
なお、対象労働者が就労経験のない職業に就くことを希望する場合、令和4年12月2日以降の採用については、採用した労働者に対して「人材開発支援助成金」を活用して訓練を行い、賃金を5%以上引き上げることで、助成額が通常の1.5倍に増額されます。
特定求職者雇用開発助成金といえば、障害者雇用のイメージが強いかもしれませんが、特定就職困難者コースのように障害者以外も対象となっています。
注意したいのは、対象労働者が過去3年間に働いたことがある事業所での雇い入れは支給対象とならないことです。
派遣やアルバイトなどで働いていた場合も対象外です。これも全コースに当てはまる注意事項です。
65歳以上の高年齢者を雇い入れる(生涯現役コース)
※生涯現役コースは令和5年3月31日をもって終了しました。
令和5年4月1日より、65歳以上の高年齢者は「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」の対象となります。
上記の「特定就職困難者コース」で対象となる高年齢者は「60歳以上65歳未満」であるのに対し、生涯現役コースでは「65歳以上」が対象です。助成内容は次のとおりです。
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外 | 70万円 | 1年間 | 35万円×2期 |
短時間労働者 | 50万円 | 1年間 | 25万円×2期 |
生涯現役コースでは、ハローワーク等の紹介によって新規に雇い入れた労働者が対象です。雇入れ日の前日から過去3年間に働いたことがある労働者は対象となりません。
そのため、次のような取り組みは認められないので注意が必要です。
特定就職困難者コースを利用して、60歳以上65歳未満の高年齢者を雇い、助成金を受給する。
→やがてその対象労働者が65歳以上になったタイミングで一旦解雇し、生涯現役コースを利用して再び雇い入れて助成金を受給する
この場合は、特定就職困難者コースのみ助成金が支給されます。
3.東日本大震災における被災離職者等を雇い入れる(被災者雇用開発コース)
※特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)は令和5年3月31日をもって終了しました
被災者雇用開発コースは、東日本大震災による被災離職者と被災地求職者を対象労働者としています。具体的には、次の労働者が対象です。
被災離職者(すべてに該当する人)
- 震災発生時に原発事故に伴う警戒区域(計画的避難区域・緊急避難準備区域などを含む)に居住していた
- 東日本大震災発生時に被災地域(災害救助法が適用された市町村)で就業していた
- 震災によって離職を余儀なくされた
- 震災による離職後、安定した職業に就いたことがない
ここでいう「安定した職業に就いたことがない人」には、週の所定労働時間が20時間以上の労働者として6カ月以上雇用されたことがない人が該当します。
被災地求職者(いずれにも該当する人)
- 震災発生時、原発事故に伴う警戒区域に居住していた人
- 震災後、安定した職業に就いたことがない人
上記の条件を満たす労働者をハローワーク等の紹介によって雇い入れた場合に、次の内容で助成が受けられます。
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外 | 60万円 | 1年間 | 30万円×2期 |
短時間労働者 | 40万円 | 1年間 | 20万円×2期 |
さらに、対象労働者を10人以上雇い入れ、1年以上継続して雇用した場合には60万円の増額が受けられます。ただし1事業所につき1回までです。
4.発達障害者または難治性疾患患者を雇い入れる(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースは、発達障害や難病を抱える人の雇用と職場定着を促進するためのものです。ハローワーク等の紹介で発達障害者や難治性疾患患者を雇い入れた場合に助成を受けられます。
対象となる発達障害には、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などが挙げられています。難治性疾患については全361種が定められています。
このコースの助成内容は次のとおりです。
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外 | 120万円 | 2年間 | 30万円×4期 |
短時間労働者 | 80万円 | 2年間 | 20万円×4期 |
対象労働者が就労経験のない職業に就くことを希望する場合、令和4年12月2日以降の採用については、採用した労働者に対して「人材開発支援助成金」を活用して訓練を行い、賃金を5%引き上げれば、助成額が通常の1.5倍に増額されます。
障害者手帳の有無について
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースの対象労働者は、「障害者手帳を所持していない」ことが条件となっています。つまり、次の3つに当てはまる発達障害者を一般被保険者として雇い入れた場合に、助成対象となるのです。
- 障害者手帳を持っていない
- 医療機関で発達障害の診断を受けている
- 医師の診断書を提示してハローワークの支援を受けた
障害者手帳を所持している発達障害者の場合は、「特定就職困難者コース」を利用することとなります。これは、発達障害者に交付される手帳のほとんどが「精神障害者保健福祉手帳」であり、精神障害者として扱われるためです。
障害者手帳を持っている発達障害者については、特定就職困難者コースのうち、次のような区分で受給申請をします。
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 | |
短時間労働者以外 | 重度障害者等(重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者) | 240万円 | 3年間 | 40万円×6期 |
短時間労働者 | 重度障害者等を含む身体・知的障害者・精神障害者 | 80万円 | 2年間 | 20万円×4期 |
近年、発達障害が世間に浸透しつつあり、障害者手帳を取得する発達障害者も増えています。発達障害者の雇い入れにあたって、特定求職者雇用開発助成金を活用する機会も増えてくるでしょう。以上のような点は特に混乱しやすいため、理解しておく必要があります。
5.障害者を初めて雇い入れる(障害者初回雇用コース)
※障害者初回雇用コースは令和3年3月31日をもって終了しました
障害者の法定雇用率を満たしていない企業のうち、雇用障害者数が0人の企業がかなりの数を占めています。そのような企業がまず1人の障害者を雇用することを促すために実施されているのが障害者初回雇用コースです。
そのため障害者初回雇用コースでは、法定雇用率の適用によって1人以上の障害者雇用を雇用する義務のある「常用労働者数が43.5人以上」の事業所を対象としています。このほか、次の2つが条件です。
- ハローワーク等の紹介によって障害者を初めて雇い入れること
- 対象労働者の雇い入れ日の翌日から3カ月以内に法定雇用率を達成すること
障害者の法定雇用率は、2021年3月1日に0.1%引き上げられて2.3%になりました。ただ障害者を雇い入れるだけではなく、法定雇用率をクリアする必要があることに注意しましょう。
助成内容は次の表のとおりです。
対象労働者 | 雇用人数 | 支給額 | |
短時間労働者 | 身体障害者、知的障害者、精神障害者 | 2人 | 120万円 |
---|---|---|---|
重度障害者等 | 1人 | ||
短時間労働者以外 | 身体障害者、知的障害者、精神障害者 | 1人 |
なお、短時間労働者として雇い入れた障害者は0.5人としてカウントされるため、受給するためには2人雇い入れる必要があります。ただし、重度障害者等を短時間労働者として雇い入れる場合には1人としてカウントされます。
6.正規雇用の機会を逃したこと等により、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な者を雇い入れる(就職氷河期世代安定雇用実現コース)
就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の就職難の時代に就職活動を強いられた世代のことです。就職氷河期世代安定雇用実現コースは、就職氷河期世代の雇用促進を目的としています。
対象となる人を簡単にいえば、就職氷河期世代の人で、現在に至るまで就職が安定しておらず、正規雇用を希望して就労支援を受けている人です。具体的には次の項目すべてを満たす必要があります。
- 1968年(昭和43年)4月2日~1988年(昭和63年)4月1日生まれである
- 雇い入れ日の前日から起算して、過去5年間に正規雇用労働者として雇用された期間を通算した期間が1年以下であり、雇入れの日の前日から起算して過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことがない
- ハローワーク等での紹介時点で失業しているまたは非正規雇用労働者である人、かつハローワーク等において、個別支援等の就労に向けた支援を受けている
- 正規雇用労働者として雇用されることを希望している
この条件を満たす労働者をハローワーク等の紹介で雇い入れると、次の内容で助成が受けられます。
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
---|---|---|---|
短時間労働者以外 | 60万円 | 1年間 | 30万円×2期 |
短時間労働では対象となりませんので注意してください。
対象労働者が就労経験のない職業に就くことを希望する場合、令和4年12月2日以降の採用については、採用した労働者に対し「人材開発支援助成金」を活用して訓練を行い、賃金を5%以上引き上げると、助成額が通常の1.5倍に増額されます。
7.自治体からハローワークに就労支援の要請があった生活保護受給者等を雇い入れる(生活保護受給者等雇用開発コース)
生活保護受給者等雇用開発コースは、生活保護受給者や生活困窮者の就職を促進するためのものです。したがって、次のいずれかに当てはまる人が対象労働者です。
- 地方公共団体からの支援要請に基づき、ハローワークが支援する生活保護受給者または生活困窮者
- 地方公共団体の被保護者就労支援事業の対象となっている生活保護受給者
- 地方公共団体の生活困窮者自立支援事業の対象となっている生活困窮者
ハローワーク等の紹介で生活保護受給者・生活困窮者を雇った場合は、次の内容で助成が受けられます。
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
---|---|---|---|
短時間労働者以外 | 60万円 | 1年間 | 30万円×2期 |
短時間労働者 | 40万円 | 1年間 | 20万円×2期 |
対象労働者が就労経験のない職業に就くことを希望する場合、令和4年12月2日以降の採用については、採用した労働者に対し「人材開発支援助成金」を活用して訓練を行い、賃金を5%以上引き上げると、助成額が通常の1.5倍に増額されます。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の詳細
特定求職者雇用開発助成金を活用するには、支給申請の流れを知っておく必要があります。基本的な流れはすべてのコース共通です。ここでは、特定就職困難者コースを例に、重度障害者等を雇い入れたケースで解説していきます。
助成金支給申請の流れ
支給申請の流れは、次のように進みます。
- 1)ハローワーク等から、求職中の重度障害者の紹介を受ける
- 2)紹介された重度障害者を雇い、雇用保険の被保険者とする
- 3)第1期の支給対象期(6カ月)にわたり雇用を継続する
- 4)第1期の支給対象期が満了した翌日から2カ月以内の支給申請期間中に支給申請を行う
- 5)支給申請書の内容の調査・確認を行い、問題がなければ支給決定通知が送付される
- 6)助成金が支給される
特定就職困難者コースで重度障害者等を雇い入れた場合の助成対象期間は3年間で、6期にわたって助成金が支給されます。
2~6期以降の申請も1期と同様の流れで行います。第1期満了の翌日から第2期が始まり、第1期の支給申請と第2期の雇用が並行する点に注意してください。
申請書類等について
支給申請の際には、支給申請期間中に支給申請書を管轄労働局長に提出します。このとき、求めに応じて添付書類を提出しなければなりません。
- 対象労働者の労働時間と支払われた賃金が記録された賃金台帳
- 対象労働者の支給対象期の出勤状況が記録された出勤簿
- 1週間の所定労働時間と雇用契約期間が確認できる雇用契約書または雇い入れ通知書の写し
- 雇い入れ日時点で対象労働者であることを証明する書類
(障害者を雇い入れる場合は、雇い入れ日時点で障害者であることがわかる障害者手帳)
これらの必須書類は、雇用管理がきちんとできていれば問題なく提出できるはずです。このほか、必要に応じて求められる添付書類もあります。
受給のための取り組みや支給申請手続き、添付書類の提出に不安があるならば、あらかじめ社会保険労務士に依頼した上で特定就職困難者コースを利用するのが安心です。
特定求職者雇用開発助成金の注意点
最後に、特定求職者雇用開発助成金を利用する際の注意点をまとめておきます。
注意1:併給調整について
まず注意したいのが、併給調整です。併給調整とは、同じ取り組みが複数の助成金の支給要件に当てはまる場合に、助成金の併給を制限・調整するものです。併給調整がかかっておらず、併給が認められている助成金もありますが、併給できない助成金も多いので注意が必要です。
例えば、多くの企業で利用されている「雇用調整助成金」は、特定求職者雇用開発助成金との併給が認められていません。
併給調整は、専門家でなければ理解しにくい仕組みです。厚生労働省が公表している併給調整一覧表も非常にわかりにくく、自己判断では誤った解釈をしてしまう危険性もあります。
併給調整に不安がある場合も、社会保険労務士に相談することをおすすめします。
注意2:関係書類の保存期限
特定求職者雇用開発助成金を受給した事業主は、国の会計検査の対象になることがあります。検査の対象になった場合には、関係書類を提示するなどの協力を求められます。そのため、特定求職者雇用開発助成金の利用に伴って作成した書類は、5年間にわたって保存しておかなければなりません。
この点でも、やはり申請については制度に詳しい社会保険労務士に依頼しておくのがおすすめです。社会保険労務士に依頼しておけば、支給申請の段階でミスのない書類をもれなくそろえることができ、なおかつ書類の整理保存もすべて任せることができます。
注意3:不正受給について
助成金の不正受給は、公金の詐取つまり詐欺行為にあたります。特定求職者雇用開発助成金を不正受給した事業主には、次のような重いペナルティが科せられます。
- 受給額に20%の違約金を上乗せして返還しなければならない
- 労働局から事業主名を公表される
- 不正受給後3年間にわたり、すべての助成金が利用不可となる
不正受給の取り締まりは厳しく、事業主に不正の自覚がなく、実際に受給に至らなかった場合でもペナルティを受けます。
実際に、悪質なコンサル会社などから書類の偽造や数値の水増しを持ち掛けられ、不正の自覚が全くないまま不正受給に問われるケースも発生しています。
不正受給を犯さないためにも、信頼できる社会保険労務士への依頼がおすすめです。
特定求職者雇用開発助成金の申請ならBricks&UKにおまかせ
障害者の法定雇用率は、令和6年4月以降、段階的に引き上げられます。今後も、特定の求職者の雇用を政府が後押しする流れは続くでしょう。社会の変化に対応し、企業に求められる義務を果たしていくためにも、特定求職者雇用開発助成金は利用価値の高い助成金です。
しかし、特定求職者雇用開発助成金の対象労働者は特殊なため、助成金の仕組みもやや複雑です。申請に不安があるなら、社会保険労務士に依頼するのがベストな方法です。
Bricks&UKでは、経験や知識が豊富な社会保険労務士が、特定求職者雇用開発助成金の申請代行ほかさまざまなサポートを行っています。特定求職者雇用開発助成金の利用を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
就業規則を無料で診断します
労働基準法等の法律は頻繁に改正が行われており、その都度就業規則を見直し、必要に応じて変更が必要となります。就業規則は、単に助成金の受給のためではなく、思わぬ人事労務トラブルを引き起こさないようにするためにも大変重要となります。
こんな方は、まずは就業規則診断をすることをおすすめします
- 就業規則を作成してから数年たっている
- 人事労務トラブルのリスクを抱えている箇所を知りたい
- ダウンロードしたテンプレートをそのまま会社の就業規則にしている
監修者からのコメント 特定求職者雇用開発助成金のポイントは、ハローワーク(有料・無料職業紹介事業者等を含む)からの紹介により新規で雇用することです。 ハローワーク等を経由せずに雇用した場合は、対象にはなりません。 ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。