【キャリアアップ助成金】申請書の書き方を詳しく解説!

2021.06.23

キャリアアップ助成金は、対象となる企業が多く支給金額も大きいため、特に申請をおすすめしたい助成金の1つです。しかし、支給申請にはたくさんの書類を準備・提出する必要があり、ハードルが高いと感じる人も少なくありません。

キャリアアップ助成金の申請にはどんな書類が必要なのか、そしてその書類はどのように記入すればいいのかを、この記事で詳しく解説します。

目次

キャリアアップ助成金とは?7つのコースを紹介

キャリアアップ助成金7つのバリエーションイメージ

キャリアアップ助成金とは、いわゆる非正規雇用で働く労働者の待遇改善を目的とした助成金です。正社員への雇用転換、賃金アップなどを行った事業主に対して賃金や費用の一部が助成されます。

対象となる待遇改善の取り組みに応じて、7つのコースがあります。

  • 正社員化コース
  • 障害者正社員化コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 諸手当制度共通化コース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース

各コースの対象者や受給の要件など詳しくはこちらの記事で解説しています。

キャリアアップ助成金の申請に必要な書類

助成金の申請に必要な書類イメージ

キャリアアップ助成金の申請には、どのような書類が必要なのでしょうか。ここでは、申請する企業が最も多い「正社員化コース」の書類を例に見ていきます。

それぞれの書類名をクリック(タップ)すると該当の説明箇所に移動します。

①キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)
②正社員化コース内訳(様式第3号別添様式1-1)
③正社員化コース対象労働者詳細(様式第3号別添様式1-2)
④支給要件確認申立書(共通要領 様式第1号)
⑤支払方法・受取人住所届(未登録の場合のみ)
⑥キャリアアップ計画書(写)
⑦労働協約(写)または就業規則(写)
⑧対象労働者の転換前後の雇用契約書または直接雇用後の労働条件通知書または雇用契約書(写)
⑨対象労働者の賃金台帳(写)
⑩賃金3%以上増額に係る計算書
⑪対象労働者の出勤簿またはタイムカード(写)
⑫中小企業事業主であることの確認書類

①キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)

支給申請の軸となる書類です。申請主である事業所の基本的な情報を記入して、受給の意思を示します。

雇用保険の適用事業所番号や事業所名、助成金申請にかかる担当者の名前や事業内容、支給申請するコース、生産性要件を満たしたうえでの支給か否かなどを記入します。

②正社員化コース内訳(様式第3号別添様式1-1)

正社員化コースの取り組み内容を記載する書類です。

正社員への転換制度あるいは派遣社員等の直接雇用制度を規定した年月日や制度の種類、対象となった労働者の氏名や支給申請額などを記入します。

③正社員化コース対象労働者詳細(様式第3号別添様式1-2)

転換または直接雇用を実施した労働者の状況を確認するための書類です。

転換の区分や種類、転換などの適用日、転換後の賃金支給の状況などのほか、当該労働者が正社員化コースの対象となるかどうかをチェックする書類です。

④支給要件確認申立書(共通要領 様式第1号)

雇用関係助成金の共通要件を満たしていることを確認する書類です。

過去の不正受給の有無や労働保険料の滞納などについて、「はい・いいえ」のどちらかを選んで答えていきます。

⑤支払方法・受取人住所届(未登録の場合のみ)

助成金の支払方法と受取人住所に関する登録申請書類です。

未登録の場合(雇用関係助成金を初めて利用するなど)のみ提出を求められます。助成金の支給を受ける口座情報や受取人情報を記入します。

⑥キャリアアップ計画書(写)

キャリアアップ計画書は、キャリアアップ助成金を利用することを決め、取り組みを行う前に作成するものです。

したがって、支給申請時に改めて作成する必要はありません。作成済みのキャリアアップ計画書の写しを提出します。

⑦労働協約(写)または就業規則(写)

実施した雇用の転換や直接雇用の措置が助成金の支給要件を満たすことを確認する書類です。

規定した転換制度や直接雇用制度について記載されている労働協約か就業規則の写しを提出します。

⑧対象労働者の転換前後の雇用契約書または直接雇用後の労働条件通知書または雇用契約書(写)

転換または直接雇用によって、処遇が改善されたことを確認する書類です。

取り組み前後の雇用あるいは労働条件を比較できる書類として、雇用契約書または労働条件通知書の写しを提出します。

⑨対象労働者の賃金台帳(写)

転換または直接雇用によって、賃金がどのように変化したかを確認する書類です。

転換前の6カ月~転換後の6カ月(合計12カ月分)の賃金台帳の写しを提出します。

⑩賃金3%以上増額に係る計算書

賃金が3%以上増額したことを示すために、賃金上昇要件確認ツールなどの計算書を提出します。

賃金増額率は、令和3年4月1日以降に取り組みを実施した場合、5%の増額から3%の増額に改正されています。ただし、この「賃金」は賞与を除きます。

要件確認ツールについては次の章の中で説明します。

⑪対象労働者の出勤簿またはタイムカード(写)

転換または直接雇用後の当該労働者の出勤状況を確認する書類です。

転換前の6カ月~転換後の6カ月(合計12カ月分)の出勤簿またはタイムカードの写しを提出します。

⑫中小企業事業主であることの確認書類

キャリアアップ助成金は、大企業と中小企業で助成内容が異なり、中小企業事業主の範囲が業種ごとに明確に定められています。

資本金額または出資総額によって証明する場合には、それらが確認できる書類として登記事項証明書を提出します。

もしくは事業所確認票を提出し、常時雇用する労働者の数によって証明することも可能です。

キャリアアップ助成金の申請書の書き方

申請書を書く男性イメージ

正社員化コースを例として、それぞれの申請書類の書き方も見ていきましょう。

①キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)

この書類は、事業主と取り組み内容に関する基本的な情報を記入するものです。申請書の流れに沿って、上から順番に記入します。

ほとんどの項目は、手元にある情報で記入することができます。雇用保険や労働保険の番号がわかるものを用意してください。③の「キャリアアップ計画書の受理番号」は労働局で受理されたキャリアアップ助成金計画書に載っています。

②正社員化コース内訳(様式第3号別添様式1-1)

この書類も、対象者の名前や雇用区分の規定・転換日など手元の情報を記入していけば問題ありません。

ただし、⑦の「支給申請額」は計算ミスがないよう、慎重に記入する必要があります。特に、令和3年4月1日の改正によって、各種加算措置が変更されている点に留意しましょう。

この改正により、「若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合」が加算措置の対象から廃止されています。

③正社員化コース対象労働者詳細(様式第3号別添様式1-2)

この書類には、転換や直接雇用を実施した労働者の情報を記入します。記入が必要な①~⑲の項目のうち前半部分には、該当者氏名や生年月日などを書くだけで、特に難しい項目はありません。注意したいのは⑧以降です。

⑧以降は、対象労働者が不支給要件に該当しないかどうかをチェック形式で確認するものです。過去3年以内の雇用状況や、賞与が支給された場合はその内容、事業主との関係などについて正直に答えていきましょう。

④支給要件確認申立書(共通要領 様式第1号)

支給要件確認申立書は、キャリアアップ助成金に限らず雇用関係助成金の申請の際には必ず提出する書類です。雇用関係助成金に共通する不支給要件に該当しないことを、次のような点で確認するものです。

  • 不正受給による不支給決定を受けたことがないか
  • 労働保険料の滞納はないか
  • 過去1年間に労働関係法令違反によって送検処分を受けたことがないか
  • 反社会勢力ではないか

それ以外の箇所には法人名や法人番号、事業所名などの必要事項を記入するだけであり、特に難しいものではありません。

⑤支払方法・受取人住所届(未登録の場合のみ)

これまで雇用関係の助成金を申請したことがない場合は、助成金の振り込みを受ける銀行口座の情報や受取人の住所が労働局側に登録されていない状態です。

したがって、この書類に事業所番号、口座情報、受取人情報などを記入して提出します。記入事項はすべて会社に関する基本的な内容で、簡単に作成できます。

⑥賃金3%以上増額に係る計算書

まず、厚生労働省のホームページから「賃金上昇要件確認ツール」をダウンロードします。
(ページの中盤あたりに様式のダウンロードリンクがあります)

このツールにある表に、平均所定労働時間や基本賃金、手当などを入力していくことで、転換または直接雇用の前後6カ月の賃金を比較できます。賃金増額率も自動で算出されるため便利です。

なお、令和3年5月13日現在、賃金増額率に関するツール内の記載は、すべて「5%以上」となっています。令和3年4月1日以降に転換または直接雇用を行った分の申請からは、「3%以上」に変更となります。

キャリアアップ助成金申請書記入時の注意点

申請書記入の際の注意点イメージ

キャリアアップ助成金の申請書を記入する際に注意すべき点は、大きく次の2つです。

  • 最新の制度内容にもとづき、指定の書式を使用すること
  • 記入項目はすべて正確に記入すること

キャリアアップ助成金は、令和3年4月1日にも改正があったように、しばしば制度内容の変更が実施されます。支給要件がわずかに変わる小規模な改正もあれば、コースの統廃合などの大規模な改正が行われることもあります。

その改正により、申請書の書式も変更される場合があるため注意が必要です。改正前の取り組みには改正前の書式が指定され、改正後の取り組みには改正後の書式を用いなくてはなりません。

また、当然ながら記載内容には正確を期してください。記載に誤りがあると、再提出を求められて受給に時間がかかるだけではなく、最悪の場合には不支給になることもあります。

書類や記入方について不明点があるときは、ハローワークや労働局、社会保険労務士などに確認しながら記載することをおすすめします。

助成金の申請ならBricks&UKにおまかせ

助成金の申請のプロである社会保険労務士の男女

キャリアアップ助成金を申請する際には、多くの書類を提出しなければなりません。支給申請の手続きに慣れていないと、書類の不備や記載内容のミスによって、スムーズに受給できないケースも多いです。

スピーディで確実な受給を目指すなら、助成金の専門家である社会保険労務士に依頼するのがおすすめです。

当社Bricks&UKには、経験豊富な社会保険労務士が多数在籍しており、助成金のトータルサポートを行っています。キャリアアップ計画の策定から就業規則の変更、出勤簿や賃金台帳の管理、そして支給申請手続きの代行まで、お気軽にご相談ください。

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労働基準法等の法律は頻繁に改正が行われており、その都度就業規則を見直し、必要に応じて変更が必要となります。就業規則は、単に助成金の受給のためではなく、思わぬ人事労務トラブルを引き起こさないようにするためにも大変重要となります。

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四宮寛子

この記事の監修この記事の監修 社会保険労務士事務所Bricks&UK 特定社会保険労務士 四宮寛子

特定社会保険労務士。2004年南山大学外国語学部英米学科卒業、2007年社会保険労務士登録、同年開業。
これまでに申請・受給した助成金は1200件超。助成金の申請を通じて就業規則の作成をはじめとした労働環境の整備にも積極的にアドバイスを行っている。

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