アルバイトの休業にも雇用調整助成金を活用しよう

2021.03.25

2023.04.25

アルバイトも対象となる助成金

【重要】※令和5年4月追記

緊急雇用安定助成金は、令和5年3月末をもって終了しました。

令和5年3月31日を含む判定基礎期間の申請期限は、令和5年5月31日(書類必着)です。賃金の締め日や休業終了日にかかわらず、令和5年3月31日までが判定基礎期間の末日と見なされます。


雇用調整助成金の「緊急雇用安定助成金」は、要件さえ満たせば、正社員だけでなく、パート・アルバイトの従業員にも適用されます。

この記事では、雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)について解説していきます。コロナ特例措置での支給要件も説明するのでぜひ参考にしてください。

雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)とは?

助成金の解説をする女性

まずは雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金の大まかな定義を見ておきましょう。

雇用調整助成金について

この助成金制度は、新型コロナウイルスの影響で事業を縮小せざるを得なくなり、従業員を休ませるなどした事業者に対して助成金が支給されます。

休業などの対応は事業の継続と雇用の維持を前提としたもので、あらかじめ労働者の同意を得て協定を結んでいる必要があります。

また、雇用調整助成金の支給対象となる労働者は、事業主に雇用され、雇用保険に加入している従業員です。

緊急雇用安定助成金について

雇用調整助成金制度の支給対象となる労働者は、雇用保険の被保険者でなくてはなりません。

しかし、一部のアルバイトやパートなど雇用保険に未加入の従業員も対象となるのが、緊急雇用安定助成金です。

つまり、アルバイトやパート従業員を休業させて、休業期間中に休業手当を支払っている事業主は、緊急雇用安定助成金の支給を受けることができるのです。ただしもちろん、その他の支給要件も満たしている必要はあります。

ちなみに、雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金は同時に申請可能です。

コロナ特例措置での助成金支給要件を確認

助成金の要件確認

ここでは、雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)の支給要件を順に解説します。

支給の対象となる事業主

雇用調整助成金のコロナ特例措置の対象となる事業主は、業種にかかわらず次の条件をすべて満たす事業主です。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境の悪化、事業活動の縮小があった
  • 最近1カ月間の売上高や生産量などが前年同月比5%以上減少している

ただしこの比較対象とする月は、1年前が適当でない場合には2年前や1カ月~1年前など柔軟な取り扱いをする特例措置もあります。

  • 労使間協定による休業などを実施し、休業手当を支払っている

ここでいう「休業」とは、働く意思と能力のある従業員を休業させることを言います。またスキルアップのために教育訓練を受けさせたり、他の事業所に出向させるなどの場合も含みます。

  • 雇用保険の適用事業主である

ただし緊急雇用安定助成金に関しては、雇用保険の適用事業主である必要はなく、労災保険の適用事業主または暫定任意適用事業主であれば問題ありません。

対象となる労働者

雇用調整助成金の支給申請対象となるのは、雇用保険の被保険者である労働者です。

前述のとおり、アルバイトやパート従業員などで雇用保険の被保険者とならない人には、緊急雇用安定助成金が適用できる可能性があります。

助成額と助成率

雇用調整助成金のコロナ特例措置の助成額については、次の式によって算出します。

助成額=平均賃金額×休業手当等の支払率×助成率

平均賃金額に関して、従業員数が20人以下などの小規模事業主には算定を簡略化する特例措置も設けられています。

ただし、従業員1人につき1日15,000円が上限です。

助成率は次のとおりです。

区分大企業中小企業
新型コロナウイルス感染症の影響による事業縮小3分の2 5分の4
上記+解雇等をせずに雇用を維持4分の310分の10

なお、緊急雇用安定助成金の助成内容(助成額と助成率)については、雇用調整助成金と同様です。

対象となる休業期間

雇用調整助成金のコロナ特例措置は、令和2年4月1日から令和3年12月末までの期間を1日でも含む、賃金締切期間が対象です(令和3年10月21日現在)。

なお、この期間内に休業の初日がある場合には、通常休業の初日から1年間の休業が対象となります。ただし、令和3年6月30日までであれば、休業の初日から1年を超えても引き続き受給することができます。

支給申請に必要な書類

申請に必要な書類は企業規模(従業員数)によって異なります。なお、緊急対応期間中は、特例として計画届の提出は不要で、支給申請の手続きのみとなっています。

従業員数20人以下の小規模事業所は、申請書類が簡略化されています。

従業員数20人以下の小規模事業所の場合

<申請書類>

  • 支給申請書類(3種類)

<添付書類>

  • 比較した月の売上などがわかる書類(売上簿、レジの月次集計、収入簿など)

これらは、休業した月と1年前の同じ月の2カ月分が必要です。休業した月の前月などとの比較も可能です。2回目以降の申請には提出する必要はありません。

  • 休業させた日や時間がわかる書類(タイムカード、出勤簿、シフト表など)
  • 休業手当や賃金の額がわかる書類(給与明細の写しや控え、賃金台帳など)
  • 役員名簿(生年月日の記載があるもの)

役員名簿は、事業主本人以外に役員がいない場合、および個人事業主の場合は不要です。

  • 通帳またはキャッシュカードのコピー(初回のみ)

従業員数20人超の事業所の場合

<申請書類>

  • 支給申請書類(4種類)

<添付書類>

  • 比較した月の売上などがわかる書類(既存の売上簿、営業収入簿、会計システムの帳票など)

休業した月と1年前の同じ月の、2カ月分が必要です。休業した月の前月などとの比較も可能です。また、2回目以降の申請には提出不要です。

  • 休業協定書

労使間で休業に関して交わした協定書のことです。

  • 事業所の状況に関する確認書

中小企業に該当するかどうかを確認するための書類です。

  • 労働者名簿と役員名簿
  • 休業させた日や時間がわかる書類

タイムカードや出勤簿、シフト表などが該当します。

  • 休業手当や賃金の額がわかる書類

給与明細の写しや控え、賃金台帳などのことです。

  • 通帳またはキャッシュカードのコピー(初回のみ)

申請の方法

雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)の申請は、事業所の住所を管轄する労働局またはハローワークの窓口で受け付けています。

申請期限必着での配達記録あるいは簡易書留による郵送や、オンラインでの申請も可能です。

申請期限

支給の申請は、「支給対象期間」ごとに行う必要があります。

申請期限は、支給対象期間の末日の翌日から2カ月以内です。

教育訓練を行うと受給率UP

アップする受給率

対象となる休業には、文字どおり「休む」のではなく、スキルアップのための教育訓練を受けさせることも含まれます。

教育訓練を実施した場合には、受給額が増額されます。1人1日あたり、中小企業では2,400円、大企業では1,800円が増額されます。

半日を勤務、半日を訓練にあてることも可能です。この場合の加算額は、1日あたり上記の半額です。

また、教育訓練の内容は、マナー研修、パワハラ・セクハラ研修、自宅でのオンライン研修なども含まれます。

この制度を活用して、教育に欠ける費用を軽減しつつ従業員のスキルアップを図るチャンスです。積極的に活用を検討しましょう。

雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)申請時の注意点

雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)の申請時には、注意すべきこともあります。

新型コロナウイルス感染症による特例措置がたびたび追加されたため、制度内容が複雑になり、常に最新の要件を確認しなければなりません。

たとえば、雇用契約書、就業規則、給与明細、タイムカードの整合性が取れていない場合、不支給になる可能性もあります。

さらに、提出書類を間違えて記入して、結果的に虚偽記載と認定され、不正受給と扱われてしまうこともあります。

不正受給とされてしまうと、事業所名が公表される等の処分が科されるだけでなく、企業の社会的信用が落ちてしまいます。

さらに、申請期限も変更となることがあり、チェックしていないと利用できる制度も利用できなくなってしまいます。

申請要件の追加に伴って助成金の申請手続や申請書類も簡素化が図られましたが、それでも売上高の証明書や労働者の出勤簿、賃金台帳・給与明細など、企業が用意しなければならない書類は少なくありません。

特に中小企業の場合は自分たちで最新の要件を確認し、申請に必要な社内手続を行い、書類をそろえて労働局やハローワークに提出するには大変な時間と労力を要します。

このような手続きの煩雑さや不支給や不正受給のリスクを避けるため、申請に際しては、常に最新の要件を把握して専門的な知識を用いて書類を作成する必要があります。そのためには、外部の専門家である社会保険労務士を利用して申請業務をアウトソーシングした方がよいでしょう。

雇用調整助成金ならBricks&UKにおまかせ

助成金に詳しい社会保険労務士

この記事では、パート・アルバイトの休業にも適用される雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)について、コロナ特例措置での助成金支給要件の確認、教育訓練を行うと受給額がアップする点や雇用調整助成金の申請時の注意点などについてお伝えしてきました。

雇用調整助成金は企業にためになる制度ではありますが、支給要件や必要書類などがやや複雑です。労使協定を事前に締結する必要があるといったケースもあります。

また、支給までには申請から1カ月程度かかるほか、書類に不備があればさらにじかんがかかることも。

そのため、雇用調整助成金の申請手続きは知識も経験もある社会保険労務士に依頼することをおすすめします。

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